マッサージ師になってみたブログ

マッサージ師になってみました。医療保険で揉んでいます。

訪問マッサージ師に大切なことは実はマッサージではない。マッサージ師こそ知ってほしい老年医療と看護

お疲れ様です。あん摩マッサージ指圧師のめりーです。

今、私は訪問マッサージ師をしておりますが、訪問医療は特殊な世界なのでマッサージ以外の知識が問われると強く感じています。

マッサージ業界はマッサージを学習しますが、ぶっちゃけマッサージは必要最低限できていればあとはどうでもいい気がしています。

私が思うマッサージ師に必要な知識はこれだ!という話です。

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ネコは癒し要素で!^w^

 

マッサージ師に技術力は関係ない各現場の理由

無資格リラクゼーション時代からマッサージを長らく8年もやっているのですが、資格のあるなし関係なく、マッサージ技術は結構どうでもいい気がします。

リラクゼーションと医療では話が違うので個別に理由をまとめてみます。

 

リラクゼーションで技術力が必要ない理由

リラクゼーションでは指名をどれくらい取れるかを問われることが多いです。指名を取るためには良い印象を残し、なおかつ次のアポイントメントを取ってしまうと、指名の確率がぐっと上がります。

リラクゼーションのお客は病気の人ではないためここで必要なのは接客スキルと営業力です。

意識の高いリラクゼーション店はお客様の健康維持に貢献し・・・と言いますが、それは綺麗事であって実際は結構えぐい指名取得競争があります。

集客はリラクゼーションセラピストの仕事ではないので、現場的にはお店の中でお客の取り合い競争になってしまいます。

良い技術を持つものが良い接客スキルや高い営業力を持っているとは限りません。

むしろ技術はお客に怪我させない程度の必要最低限が出来ていればそれ以上学習する必要はないと感じました。

 

リラクゼーションで必要なのは、接客スキルと営業力です。

 

医療で技術力が必要ない理由

医療業界でも本質的にはリラクゼーションサロンと同じということがあります。マッサージ屋と化している接骨院や整形外科はその類です。

医療現場ではお客が高齢者になります。

高齢者はマッサージの副作用(後述)が出現することがあり、異変を察知する能力が必要です。

医療現場でのマッサージは対症療法であり、根治のための治療ではありません。

よくカリスマ整体師みたいな人が五十肩を治しました!みたいなことを言っているのですが、マッサージとか整体で治るものはそもそも治る素質を持っている疾患です。

特に、訪問医療で診るのは治らない状態である患者さんになります。

基礎疾患がないと同意書が出ない、整形外科医に同意書を書きたがらない人が多いのは治らない状態であるためです。

 

医療現場ではリラクゼーションと同じく必要最低限の技術があれば仕事は成立します。しかしリラクゼーションに比べて難しいのは、患者に基礎疾患があったり、急変の可能性があるところです。

これは絶対に資格を持ったマッサージ師にしか診ることができません。

 

医療現場で必要なのは、医学知識です。

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現場に限らずマッサージ師に分かっていて欲しい、マッサージの副作用について

マッサージは薬剤と違って作用が非常に穏やかです。

マッサージの作用とは血行促進、疼痛緩和、疲労回復、精神を穏やかにするリラックス作用などですが、いずれも全身に作用します。

例えば血行促進は循環機能に作用しますから、血圧が下がります。

特に高齢者や飲酒後の人は脳虚血が起きることがあり、見落とすと卒倒する可能性があります。

私は過去に自分がお客を倒したこともあるし、お客を倒している人を見たこともあります。

マッサージは安全性が高いのであまり重要視されない副作用ですが、起きてしまうと外傷の恐れがあり注意が必要です。

 

また副交感神経を優位にするので、マッサージ直後は注意力が低下します。

これを防ぐために施術後に叩打法(肩叩き)を行います。

なぜ叩くかをわからずにやっている人が非常に多いのですが、叩打法には自律神経を調節する目的があります。

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もちろん技術力が必要なマッサージ技術もある。この手技には注意せよ

マッサージの内容はどうでもいいような気がするのですが、マッサージ技術の中には難しい技術もあります。

これもリラクゼーションと医療で話が違ってくるので分けて説明します。

 

リラクゼーションで学習して欲しいマッサージ技術

リラクゼーションセラピストは医学的な知識がないので無茶をしがちです。特にストレッチや圧迫、叩打法は無茶なことをしている人をたくさん見てきました。

まず自分が無茶をしているかもしれないという危機感を持って頂きたいと思います。

私はお客としてリラクゼーションサロンに度々足を運んでいましたが、刺激を与えてはいけない場所を圧迫されたり、余計な刺激を入れられることがよくありました。

 

刺激とは押す、揉むなどのマッサージのことです。

柔らかいところや、弱いところは強く押してはいけません。例えば眼球やみぞおちなどがこれに当たります。

眼球圧迫は非常にリスクが高いので、絶対にやってはいけません。

 

リラクゼーションセラピストは、揉んでも大丈夫なところ、揉んではいけない弱いところをしっかりと意識して欲しいです。

 

医療現場で注意すべきマッサージ技術

資格者はすでにご存知のことと思いますが、医療現場の患者である高齢者には骨折のリスクが常につきまといます。

特に訪問医療の患者は身体レベルが低く、リスクが高くなるので圧迫法自体が禁忌となることがあります。

また叩打法は過度な刺激や振動を与える手技であるため注意が必要です。そもそも叩打法自体難しい技術です。レベルの低い患者には行わないようにします。

 

整形外科などで物理療法を行なった後のマッサージは、脳虚血を起こすことがあります。特にエネルギーの強いマイクロ波を当てた後にはすでに血圧変動が起きていることがあります。

物理療法後のマッサージは刺激の調節と、よく話しかけて患者の状態確認をする必要があります。

 

ちなみにですが、私が病院外来でマッサージを受けていた際のこと。

他の施術者がマッサージ中に患者さんの意識レベルが下がりました。この患者さんは完全自立でした。

この時、ドクターが気胸を疑ったのか即座にレントゲンを撮っていました。酸素が下がるなど他のことが起きていたのかもしれません。

マッサージで気胸が疑われるのは意外でしたが、そのような判断をされることもあるようです。

その後すぐにこの患者さんは回復し、異常もなく、一過性脳虚血の診断でした。

 

じゃあマッサージ師に本当に必要なことって何なの?相手をよく知ることが大切だと思う

難しい技術は練習しないといけませんが、企業でありがちなマニアックな徒手療法みたいなのはあまり必要ないかなーというのが私の印象です。

もちろん武器は多いに越したことはありませんから、知っておいて損ということはないでしょう。

しかし現場で困るのはマッサージ技術ではなく、その時の判断力です。

 

リラクゼーションでお客さんに求められることとは

リラクゼーションではお客の求めるものに答えてあげることが大切です。例えば寝るためにきているお客さんに、しきりに話しかけてはもう来てくれなくなってしまいます。

逆に、話を聞きたい人にはよく説明してあげないといけないし、話したいという人にはきちんと相槌を打たないといけません。

そのお客さんが何を求めているか?を察知し、それを実現させてあげることが大切です。

 

医療現場で必要なこととは

医療現場ではリラクゼーションと違い、患者が明確なものを施術者に求めるということは稀です。

中にはリハビリをしたいという意思のある人もいますが、我々はマッサージ師として見られていますから、ちょっと珍しい患者さんになります。

 

では私たちに何が大切かというと、診察と中止判断です。

患者さんの状態を察知し、これからの体調変化を予測する。必要に応じて他医療者に連絡をする。

マッサージができないと判断したら、明確な根拠を持って行わない。

そういった医療現場の当たり前のことが、マッサージ業界では軽視されています。

 

極端に言いますが、医療マッサージ師に必要なのは、マッサージ技術ではありません。

マッサージ師はマッサージがうまくて当たり前です。

本当に必要なものとは、観察力や洞察力、コミュニケーション能力です。

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医療マッサージ師が知っておくべきは、老年医療と看護

残念なことにマッサージ養成学校では臨床に必要な知識を十分に身につけることができません。非常にレベルの低い、必要最低限です。

またそれすら十分に記憶しないまま現場に出てしまうマッサージ師が多いように感じています。

 

記憶し続けることは難しいのですが、臨床でよくみる疾患についてはしっかりと学習しておくことが大切です。

またマッサージ以外のことに重要な知識があります。

 

医療マッサージ師の患者はほとんどが高齢者です。高齢者は体が特有の状態になっています。骨粗鬆症はその一つですね。

このような高齢者特有の医学を知っておくことはとても大切です。

絶対に必要だと感じるのが認知症の理解です。認知症は一般に言われているような病気ではないと、私は思いました。

認知症患者さんは混乱の中を生きています。非常に辛く厳しい思いをされています。

それをしっかり理解してあげるのは、医療者としての義務であると私は思います。

 

また施設訪問マッサージでは病院機能のある施設に行くこともあります。

病院では点滴や酸素吸入など、一般では見られない特殊な状態が存在します。こういった道具の名前や使い道などは臨床看護の分野になってくるようです。

私は病院で働いていたので直接現場で習いましたが、そうでないマッサージ師は知ることなくマッサージを行なっていることになります。

 

医療マッサージ会社では理学療法士が技術的なこと、現場的なことを教えることがあるようですが、訪問マッサージではどちらかと言うと看護の分野が密に関わっているような気がします。

 

仕事の内容も、急性期を扱う理学療法士よりは、緩和や介護も行う看護の方が、より近いと私は思います。

 

 

 

私は訪問マッサージに医学的な有用性はあまりないと思っています。

私たちが存在する目的は、治すことではなく、癒すことです。

患者さんのQOLをあげるためにマッサージがあるのではないかと、私は考えています。

モミモミ。