マッサージ師になってみたブログ

マッサージ師になってみました。医療保険で揉んでいます。

医療オタクのマッサージ師がおすすめしたい医者が主人公のミステリー小説3選

こんばんは。めりーです。あん摩マッサージ指圧師です。

私は何を隠そう医療オタクです。そのせいもあってか今、臨床マッサージ師やっております。

医学の話がちょっと分かるので医学的な専門書を読むことが多いのですが、ミステリー小説も好きでよく読んでいます。

今日は医者が主人公の医療系ミステリー小説を3つご紹介します。

 

 

螺旋の手術室

お医者の作家さんが書いた小説です。

 

<あらすじ>

臨床6年の若い外科医の青年が主人公です。物語は急変が起きたオペ室から始まります。起こり得ない手術中の患者の死を皮切りに、次々に医師の変死が発覚する大学病院。 変死した医師は全員、教授の候補でした。主人公は患者の死の謎を暴くために独自に調査を行います。

 

<感想>

オペや急変時の緊張感、その場面の指示やスタッフの動きなどを細かく描写していて、お医者さんでないと書けない内容です。「医者とはカッコいい仕事なのだ!」というのが全面に出ています。外科医はやっぱりカッコいいと思います。

主人公の青年も「あーなんか病院で見たことある、こんな人」みたいな感じです。あるある医者って感じ。私としてはもうちょっと人間臭くてリアルな青年を描いて欲しいのですが。実はロリコンとか。実は巨乳好きとか。実は阪神の大ファンとか。冗談です。

ミステリーとしては昔ながらの2時間ドラマのような内容。家族がギクシャクしてたり人間関係がドロドロしていたりやりすぎなくらいやっちゃっています。とにかく暗い。とにかく重い。ちょっと古い感じがする。

出てくる刑事が「コロンボに似ている」というのもストレートすぎてもうちょっと捻ろうよと思いました。死体発見現場は刑事ドラマに出てくる感じでものすごくイメージしやすかったです。オチも割と想像しやすかったりしてミステリーとしてはやや物足りないかなという印象です。

でも主人公はカッコいい。彼女いないらしいです。

ミステリー要素よりも医療現場の臨場感とか雰囲気が楽しめる一冊かな、と思います。

 

がん消滅の罠 完全寛解の謎

こちらもお医者の作家さんです。

 

<あらすじ>

主人公である内科医の担当するがん患者が、不可解にも治ってしまいます。あるわけのない治癒が起き、混乱する主人公ですが、検査をするも謎は解けないまま。がんに関する生命保険の受給が行われていることが発覚し、謎が深まります。なぜがんは消えてしまったのか?その影にうごめく謎の計画とは?

 

<感想>

こちらは内科医が主人公です。がんが綺麗に治ってしまうという謎が起き、それになんだか金やら組織やらが絡んでいて怪しいので調査しますというお話。

この物語は人が殺されません。素晴らしい。医の倫理、素晴らしい。

まあ「治ってるなら、ええやん!」と思うのですが、明らかに不自然な治り方をしているので正義感の強いお医者が調べていくというお話です。

この小説はマニアックで医学を勉強していないとちょっと読みにくいかもしれません。がんの基本的なことを知っていると結構楽しい小説です。

ミステリーに欲しいアクの強い刑事とか、悪いやつだったけど殺されてしまった被害者とか、血なまぐさい話は全くありません。何しろ殺人がない。

でも「がん」という現実社会でも曲者である病気を扱い、検査をしたり病気の疑いをかけていくというのが実にリアルです。保険とか、大規模病院組織が出てきたりして世の中の闇な一面も垣間見えます。複雑な社会を描いています。

物語中に急変時の蘇生も出てくるのですけど、「螺旋の手術室」に比べるとなぜかあんまりリアリティがありません。なんかのシナリオ読んでいるみたい。

個人的にはトリックがとても良かったです。「なるほどー!」という感じがしましたが、医学をかじった人にしかそう思えないかもしれません。

マッサージ師だったら楽しめる一冊となっております。

 

症例A

こちらはプロの作家さんによる小説です。

 

<あらすじ>

主人公の精神科医は、新しい勤務地である精神科病院に転勤してきました。前任者の医師は謎の死を遂げています。

様々な精神疾患の患者を診察しますが、中でも問題を起こすのが高校生の少女。少女は主人公を振り回すような態度を取り、主人公は疲弊してしまいます。同じ病院に勤務する臨床心理士が主人公にアドバイスしますが、現実ではとても有り得ない病名を口にします。少女の症例とは?医師の死の真相とは?

 

<感想>

こちらは本職の作家さんが書いたもので、とても完成度が高い作品だと思います。作家さんが医師でないにも関わらず、精神疾患について詳しくリアルに描かれていました。

この主人公はアラサーバツイチの男子です。もう私としてはこの時点で、とても他人とは思えない(笑)見た目はパッとしないのですが、真面目な好青年です。垢抜けない医者というのは他の2作品との違いだと思います。

印象的なのは景色の描写です。綺麗な景色の病院に、複雑な状況を抱えた患者や医療者がいます。景色の描写は絵画を見ているような感覚に陥るほど鮮明です。

物語で主人公が、統合失調症(作品中では精神分裂病)や双極性障害など具体的な疾患の鑑別に悩む様子が出てきます。これがとても専門的で作家さんが書いたとは思えません。

ただ物語の中盤から多重人格の話が出てくるのですが、その辺はやっぱりフィクションっぽく見えてしまいます。「またまたぁ〜」って思ってしまいました。

でも最後は感動的で純粋に物語として良かったです。

 

ところでこの作家さんは失踪されており、いまだに見つかっていません。この物語を読んでからそれを知ったのですが、考え深いと私は思います。ご健在であり、早急に発見されることを願っております。

 

医者の小説ってどうなの?医療ミステリー全体的な感想

お医者も本が好きな人がいるらしくて小説家になる人がポツポツいます。

お医者の本はたくさん読んできました。普段論文を読み書きしている人たちだからなのか、何かの説明や解説の文章は本当に分かりやすくて読みやすいのですが、小説がうまいと思ったことは一度もありません。おすすめしといてすみません。

お医者も一括りにされちゃ困ると思うんですけど、少なくともミステリー小説はやっぱり有名どころの作家さんが面白いなあと思います。

有名どころの作家さんは医療を扱っていることが少なく、その中で「症例A」は貴重な存在です。「症例A」は本当に面白かった。

ミステリーって殺されたり殺したりして血なまぐさい話になるのですが、「症例A」は美しい物語だと思います。文章が綺麗です。

 

これからも医療系の本はどんどん読み進めて行きたいと思います。

ヨミヨミ!